商品・サービスの移り変わりと共に、新しいマーケティングが注目されていく中で、近年"アンバサダーマーケティング"が注目を集めています。

アンバサダーマーケティングは、商品・サービスに愛着を持つ熱狂的なファンの中からアンバサダーを務める人を決め、自社商品やサービスをPRしてもらうことで、未来の顧客に購買行動を起こしてもらうマーケティング手法です。

しかしアンバサダーマーケティングといっても緻密な施策を立てなければ成功することはありません。また中には「どんなことをしたらいいか分からない」という方もいると思います。

そこで当記事では、「アンバサダーマーケティングの成功事例」や「アンバサダーを選出する際の注意点」をご紹介します。

アンバサダーマーケティングとは?

アンバサダーマーケティングとは?の画像

多くの商品・サービスが登場する中、様々なマーケティング手法や宣伝方法があり、顧客一人ひとりの価値観の多様化が進む現代では、効果的に宣伝することが重要視されるようになりました。

数あるマーケティングの中でも新たに注目されるようになった手法の中に『アンバサダーマーケティング』があります。

アンバサダーマーケティングとは、商品やサービスに愛着を持つ熱狂的なファンである「アンバサダー」に自社商品やサービスを宣伝してもらい、未来の顧客に届けることで購買行動を起こしてもらうというマーケティング手法のことを指します。

フォロワー数が多いビジネス的なインフルエンサー違い、自身がヘビーユーザーであるため『リアルな使用感を伝えられる』『ヘビーユーザーだからこそ分かる魅力』『日常で使える活用シーン』など有益な情報を発信してくれます。

またアンバサダーは、ユーザーに対しても効果的にアプローチしてくれるため新規ユーザーを取り込むことができるというメリットがあります。

アンバサダーマーケティングのPointアンバサダーは、商品・サービス・ブランドに強い愛着を持っていることから、ポジティブな情報を自主的に発信するので、新規顧客を取り込みやすいという特徴があります。さらに、アンバサダーが持つ愛情を感じたユーザーの購買意欲を引き出すことができます。

アンバサダーマーケティングとインフルエンサーマーケティングの違いとは?

前述では、アンバサダーマーケティングとはどういう意味があるのかをご紹介してきました。

第三者に商品・サービスを宣伝してもらうという手法を見ると、「インフルエンサーマーケティングと似ているのでは?」と感じる方がいると思います。

アンバサダーマーケティング・インフルエンサーマーケティングは似ている手法ではありますが、全く別のやり方でユーザーを集客します。

▼アンバサダーマーケティングとインフルエンサーマーケティングの違い▼

・アンバサダーマーケティング・・・アンバサダーに選ばれる人は、商品・サービス・ブランドに強い愛着を持つことから、『説得力のある言動や行動』『高い熱量』が特徴として挙げられます。マーケティング手法としては『高い質』を担保しています。

・インフルエンサーマーケティング・・・インフルエンサーマーケティングで選ばれるインフルエンサーは、『フォロワー数が多い』『有名である』が特徴として挙げられます。マーケティング手法としては質よりも『量』を担保しています。

上記を見てもらえば分かるように、アンバサダーマーケティングは『質』に重きを置いていることが分かりますが、インフルエンサーマーケティングでは『量』に重きを置いています。

アンバサダーが持つ高い熱意と説得力のある言動が必要な場合は『アンバサダーマーケティング』、大勢に対して影響力を持つ人に自社商品やサービスを宣伝してもらいたい場合は『インフルエンサーマーケティング』を実施すると商品やサービスを効果的に宣伝できます。

アンバサダーマーケティングが重要視される理由

マーケティング活動をしている、もしくはこれから活動を始めるという方の中には、「どうしてアンバサダーマーケティングが重要視されているの?」と疑問に思う方がいるはずです。

アンバサダーマーケティングが重要視される最大の理由としては、熱狂的なファン(アンバサダー)が発する説得力のある言動や行動がこれからの未来の顧客に届き、そこから購買行動へと促すことができるからです。

アンバサダーはもともと、商品やサービスの熱狂的なファンであることから、常にリアルな情報を発信するという特性があります。

またスマートフォンが普及した現代では、商品やサービスを購入する時に多くの人が見るのが『口コミ』です。

この口コミは、いかにもPR感がある口コミではなく、「実際に使用した感想」や「効果的な使い方」などの情報が記載されていると信頼度が高く購買の決め手となります。

そのため、リアルな情報を発信し続けるアンバサダーを起用したアンバサダーマーケティングが重要視されるようになりました。

アンバサダー選出の4つの注意点とは?

前述で、アンバサダーマーケティングについてある程度理解していただけたと思います。

アンバサダーマーケティングでは、商品やサービスに強い愛着を持つ熱狂的なファンが『アンバサダー』として企業の商品・サービスをPRします。

そのため、まずはアンバサダーを選出する必要がありますが、この時にアンバサダー選出で失敗しないためにいくつかの注意点があります。

そこでここからは、アンバサダーを選出する際の4つの注意点をご紹介します。

注意①インフルエンサーの投稿内容を重視する

注意①インフルエンサーの投稿内容を重視するの画像

アンバサダーを選出する際の1つ目の注意点として、インフルエンサーの投稿内容を重視することが挙げられます。

アンバサダーマーケティングにおいて、商品・サービスに強い愛着を持つ熱狂的なファンを選出する必要がありますが、アンバサダー候補に挙がった人の過去の投稿内容を見た時『自社商品やサービスに関する投稿をしていない』『過去投稿では全く違うジャンルを扱っている』という場合、このインフルエンサーをアンバサダーとして採用してしまうと採用した企業やアンバサダーに選ばれた人の信頼度が下がってしまう可能性があります。

また、アンバサダー候補に挙がった人が抱えているコミュニティが、企業が求める消費者と異なる場合があります。

このような場合は、アンバサダーマーケティングとして成立していないので別のインフルエンサーを採用することを検討しましょう。

インフルエンサー選出のPointアンバサダーマーケティングでインフルエンサーを起用する際は、過去の投稿を確認し『自社商品やサービスに対して否定的な意見を発信している』『同ジャンルへのネガティブな投稿が見られる』場合は、起用を避けることがポイントです。アンバサダーがマイナスな発言・投稿を行うことで、企業のイメージを下げる可能性があるので気をつけましょう。

注意②オシャレすぎる投稿は控える

アンバサダーを選出する際の2つ目の注意点として、オシャレすぎる投稿を控えることが挙げられます。

アンバサダーとしてインフルエンサーを採用する場合の大きな魅力として、オシャレな投稿で大勢のユーザーにアプローチできるということです。

近年のインフルエンサーは、どんな方でも私生活をオシャレに投稿したり、インテリア・ファッションなど様々な工夫を施し多くの人々を惹きつけます。

しかしアンバサダーマーケティングにおいては、オシャレすぎる投稿は商品・サービスの魅力が伝わりにくいというデメリットがあります。

例えば、『文章が全て英語』『独自の言い回しを使っている』『過剰な画像加工』などが挙げられますが、このようなオシャレすぎる投稿は商品・サービスに焦点が合わず魅力が伝わらないので、フォロワー以外の消費者を集めることが難しくなります。

注意③フォロワー数だけを気にしすぎない

注意③フォロワー数だけを気にしすぎないの画像

アンバサダーを選出する際の3つ目の注意点として、フォロワー数だけを気にしすぎないことが挙げられます。

近年では、YouTube・Instagramなどで大勢のフォロワーを抱え、高い影響力を持つ『インフルエンサー』と呼ばれる人達がいます。

アンバサダーマーケティングで成功するためには、自社商品やサービスに関連する投稿をしていて、フォロワーが多く影響力を持つ人をアンバサダーとして起用することが重要です。

しかしフォロワー数ばかりを気にしてアンバサダーを採用すると失敗する可能性があります。

例えば、フォロワー数が「25万人」いて高い影響力があってもフォロワーとインフルエンサーの会話がなく、インフルエンサーが一方的に投稿し続けている場合があります。

このような場合は、インフルエンサーが商品・サービスをPRしても、ユーザーが購買行動を起こしてくれる可能性が低くなります。

アンバサダーを選出する際は、影響力も大事ですが何よりも『人間性』と『フォロワーとの繋がり』を重視することが大切です。

注意④複数のインフルエンサーが同じ宣伝投稿をしないようにする

アンバサダーを選出する際の4つ目の注意点として、複数のインフルエンサーが同じ宣伝投稿をしないようにすることが挙げられます。

企業によっては、複数人のアンバサダーを起用する場合があると思います。

複数人のアンバサダーを起用することで、「多くのユーザーに拡散できる」「商品・サービスの認知度が高まる」などのメリットがあります。

しかし起用した複数人のアンバサダーが同時に同じような宣伝投稿をすると、ユーザーに意図を読み取られどんなに魅力的な発信をしたとしても、企業・インフルエンサーの信頼性が失われてしまいます。

もし複数人のアンバサダーを起用した場合は、『投稿内容を変える』『投稿時期をずらす』などの工夫が必要です。

アンバサダーマーケティングの成功事例3選

ここまで、「アンバサダーマーケティングとは何か」「重要視される理由」「アンバサダー選出の際の注意点」を理解したと思います。

アンバサダーマーケティングでは、商品・サービスに強い愛着を持つ熱狂的なファンを起用することが前提条件として挙げられ、自社で扱っている商品・サービスと同じジャンルのモノに対して、本当に熱狂的なファンなのかを過去の投稿を遡って確認することがアンバサダーマーケティングで成功するためのポイントです。

しかしアンバサダーマーケティングといっても企業によってやり方は様々ですし、中には「アンバサダーマーケティングで成功した事例はあるの?」と疑問に思う方がいるはずです。

そこでここからは、アンバサダーマーケティングの成功事例3選をご紹介します。

成功事例①TVCMでも放送された『ネスカフェ(NESCAFÉ)』

アンバサダーマーケティングに成功した企業として、ネスカフェ(NESCAFÉ)が有名です。

ネスカフェ(NESCAFÉ)は、スイスのヴェヴェーにある売上高世界最大の食品メーカーである「ネスレ」が世界的に製造して販売するコーヒー製品の商標として知られています。

TVCMで「ネスカフェアンバサダ~♪」という言葉を聞いたことがある人がいると思いますが、そんなネスカフェは、アンバサダーマーケティングを採用し『10万人』ものファンを獲得することに成功しています

同社では、ネスカフェアンバサダーになるためにいくつかの条件を提示しています。

▼ネスカフェアンバサダーに入る条件▼

・『ラク楽お届け便』に加入する
・ネスレから届くメールを受け取る
・コースを選択する

上記の条件をクリアしてアンバサダーになることができると、以下のようなお願いが用意されています。

・職場などでみんなで楽しんでいる様子を写真投稿
・アンケートへの協力

このような写真投稿でアンバサダー同士の交流が深まったり、ネスカフェの告知がどんどん広がりました。

成功事例②インフルエンサーを起用して自然にPRした『アイスの実』

アンバサダーマーケティングで成功した事例として、江崎グリコの『アイスの実』が挙げられます。

皆さんの中にも、アイスの実を食べたことがある方がいると思いますが、アイスの実を販売する江崎グリコではフォロワー数が多く影響力を持つ『インフルエンサー』を起用して自然に商品をPRしています

ミュアさんのInstagram投稿画面
出典:Instagram

上記は、ファッション・美容・日常の様子をオシャレに投稿しているインフルエンサーの「ミュアさん」で、2021年8月時点でフォロワーが『1万人』もいます。

そんなミュアさんは、アイスの実アンバサダーを務め、アイスの実の新フレーバーを試食した様子をInstagramに投稿しています。

こちらの投稿では、アンバサダーとして参加したイベントで「アイスの実の歴史」「豆知識」「コンセプト」などを知れるディスカッションを行い、人々との触れ合いについて詳しく情報発信しています。

このようにフォロワーが多く影響力を持つインフルエンサーを起用して、投稿の中に自然とPRを混ぜ合わせることで商品の認知度がアップし、消費者の購買行動へと繋がる成功事例と言えるでしょう。

成功事例③アンバサダーにホテルイベントの招待を行う『ホテルニューオータニ東京』

ここまでは商品を販売するためのアンバサダーマーケティングをご紹介してきましたが、「サービス」でもアンバサダーマーケティングで成功した事例が存在します。

それが東京都千代田区紀尾井町にある、広大な緑と由緒ある日本庭園に囲まれた『ホテルニューオータニ東京』です。

ホテルニューオータニ東京では、アンバサダーに選ばれた人に対して以下のようなイベントを用意しています。

・「GARDEN POOL」の体験
・新作スイーツの試食
・新装ルームへの試泊
・各種イベントへの参加

アンバサダーに選ばれた人は上記のような体験ができ、その体験をInstagramに投稿して「ホテルニューオータニ東京」に関するコンテンツを発信してもらうような取り組みを行っています。

アンバサダーに選ばれた人は『ホテルニューオータニ東京で最高の体験を』、ホテルニューオータニ東京側としては『アンバサダーに自社に関するコンテンツを発信してもらい、より多くのユーザーの目に留まるようにする』というWin-Winの関係を築くことで集客することに成功しています。

まとめ

ここまで、「アンバサダーマーケティングとは何か」「アンバサダーを選出する際の注意点」「アンバサダーマーケティングの成功事例」をご紹介してきました。

アンバサダーマーケティングでは、商品・サービスに強い愛着を持つ熱狂的なファンである「アンバサダー」に自社商品やサービスをPRしてもらい、未来の顧客に届けることで購買行動を起こしてもらおうという狙いがあります。

まずはアンバサダーを選出する必要がありますが、「フォロワーが多いから」「影響力があるから」などの理由で選んでしまうと失敗する可能性があります。

必ずと言っていい程、『過去の投稿を見る』『人柄を重視する』など様々な注意点があることを覚えておきましょう。

さらに当記事では、アンバサダーマーケティングの成功事例をご紹介しているので、アンバサダーマーケティングが成功しない、もしくはこれから始めるという方は参考にしてほしいと思います。

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