多くの企業は、「新規顧客を増やしたい」「多くのリピーターを確保したい」という大きな課題を抱えています。

そんな時こそ、自社で抱える顧客を理解しユーザーに対して効果的なマーケティング施策を行うことが重要です。

そこで顧客の理解を深めるために、『顧客分析』が用いられます。

しかし顧客分析といっても「どうやって顧客分析を行えばいいか分からない」という担当者の方がいると思います。

当記事では、「なぜ顧客分析を行う必要性があるのか」「顧客分析の目的は何なのか」「顧客分析の方法や手法」をご紹介します。

顧客分析とは?

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顧客分析とは、購買率・顧客ニーズ・顧客満足度・市場での立ち位置などをあらゆる角度から可視化し、課題の改善を行うための分析を指します。

基本的には、自社商品・サービスを購買した顧客の「購買行動」や「属性」を分析します。

また顧客分析は、プロダクトやサービスの種類・企業が目指す目標によって他の様々な指標と組み合わせることができます。

このように顧客分析を正確に行い、継続的に改善活動を行うことで顧客ニーズに応えた商品・サービスを改善・開発できるので、顧客との良好な関係を築くことができ会社としての成長や長期的な売上アップにつながります。

顧客分析のPoint顧客分析は、あくまで「購買率の向上」「顧客満足度の向上」を目的とした分析手段として用いられます。分析によるデータを得ることが目的ではないことがポイントです。

顧客分析を行う必要性はあるの?

前述で、「顧客分析とはどういう意味か」について触れました。

顧客分析では企業が抱える課題の改善を行うために、あらゆる角度から現状を可視化することがとても重要ですが、マーケティングを展開していく上で「顧客分析を行う必要性はあるの?」「なぜ顧客分析が重要視されているの?」と疑問に思う方は少なくないはずです。

顧客分析は、自社商品・サービスの売り上げをさらにアップさせるために実施するとても重要なことで、「顧客が今、何を求めているのか」を分析データから読み解き、ターゲットの『購買行動』『属性』『どうして自社商品・サービスを選んだのか』を明らかにすることで、売上の向上を目指します。

また、顧客分析が重要視されるようになった背景には「スマートフォンの普及」「サブスクリプションサービスの浸透」が挙げられます。

それぞれの背景を以下より具体的に解説します。

スマートフォンの普及

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当記事をご覧の皆さんもスマートフォンをお持ちだと思いますが、現在はスマートフォン・タブレットの普及に伴い外出先で気軽にインターネットを閲覧できるようになりました。

スマートフォンがない時代は、企業からの発信を待つ『受け身』の状態で商品・サービスを知り購買行動を起こしていました。

しかしスマートフォンが普及した現代では、消費者1人一人がインターネットの情報をもとに商品・サービスの取捨選択を行えるようになりました。

そのため企業は、従来までのマーケティングでは通用しなくなり、簡単に新規顧客を獲得できなくなりました。

そこで「顧客ニーズ」「顧客の傾向」などを把握し、ターゲット層に合ったマーケティングを実施しなければいけないため、顧客分析が必要になりました。

サブスクリプションサービスの浸透

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現代では、新しいビジネス形態として『サブスクリプションサービス』が世界的に浸透しています。

・サブスクリプションサービスとは・・・ユーザーが毎月もしくは毎年一定の利用料金を支払うことで、商品・サービスが提供されるサービスのことを指します。代表的な例として『Amazonプライム』『NETFLIX(ネットフリックス)』『Spotify(スポティファイ)』などが挙げられます。

サブスクリプションサービスは、買い切りのサービスとは異なりユーザーに継続利用してもらうことで利益を上げることができるビジネスモデルです。

そのため、ユーザーが離れてしまうと売上が低下し、サービスの存続自体ができなくなる可能性があります。

そこでサブスクリプションサービスでは、ユーザーのニーズを把握しLTV(Life Time Value/顧客生涯価値)を向上させるために顧客分析が欠かせません。

顧客分析の目的とは?

ここまで、「顧客分析とは」「顧客分析を行う必要性はあるのか」を理解していただけたと思います。

しかしマーケティング担当者の中には、「どうして顧客分析を行うの?」「良い商品・サービスだけを提供していれば問題ないのでは?」と思う方がいるはずです。

従来までは良い商品・サービスを提供していればある程度安定した利益を得ることはできましたが、顧客1人一人の価値観の多様化が進んでいる現代において顧客分析は欠かせません。

そこでここからは、顧客分析を行う目的を解説していきます。

目的①顧客ニーズを理解する

目的①顧客ニーズを理解するの画像

顧客分析を行う1つ目の目的は、顧客ニーズを理解することです。

企業として購買率の向上・顧客満足度の向上を目指すなら、「顧客がどうして自社商品・サービスを購入したのか」または「どうして自社商品・サービスを選ばなかったのか」を明確にし、顧客の行動を洗い出して分析する必要があります。

顧客分析の結果と対策案の例を以下でご紹介します。

顧客分析の結果 対策案
商品・サービスの価格が高かったため購入に至らなかった(Aさん) 商品・サービスの価格を下げることで、購入される可能性が高まる
商品内容に魅力を感じなかったため購入に至らなかった(Bさん) 商品設計自体を見直せば購入される可能性が高まる

上記例を見ても分かる通り、Aさん・Bさんの購買まで至らなかった理由は全く違います。

顧客分析を行うことでこの違いを明らかにすることができ、今後商品・サービスの改善・開発をしていく上で効果を発揮します。

Point顧客ニーズを理解し商品・サービスの改善を実施することで、顧客側は「欲しいと思っていた商品が販売されてる!」「自分の意見・要望が採用されている!」と顧客ロイヤリティが向上し、企業側としても「ロイヤルカスタマーが増え、利益が向上する」「顧客離れが起きにくくなる」などのメリットがあります。

目的②既に提供しているサービスが顧客ニーズに合致しているかを把握する

顧客分析を行う2つ目の目的は、既に提供しているサービスが顧客ニーズに合致しているかを把握することです。

顧客分析を行い顧客ニーズを知ることができれば、既に提供している商品・サービスと顧客ニーズに不一致があることが分かります。

この不一致をすり合わせ、顧客に寄り添った商品・サービスの開発・提供を実施することで、購買率の向上と顧客満足度の向上が実現します。

目的③訴求するターゲットを明確にする

目的③訴求するターゲットを明確にするの画像

顧客分析を行う3つ目の目的は、訴求するターゲットを明確にすることです。

自社商品・サービスが多くの消費者にとって役に立つものであれば、おのずと購買する顧客は幅広くなります。

しかし多くの消費者に自社商品・サービスを利用してもらいたいなら、『的確なターゲット設定』を行わないと購買率や顧客満足度を向上させることはできません。

もしあなたが「売上の向上を第一に考える」ならば、自社の売上に貢献している顧客のニーズを理解し、顧客に寄り添った良い商品・サービスを作り続ける必要があります。

このようにマーケティングを行う上で「誰にどのようにアプローチするか」というターゲット設定をすることはとても重要で、そのために顧客分析が必要になります。

顧客分析の8つの方法・手法とは?

前述で、「顧客分析を行う目的」を理解していただけたと思います。

企業として顧客行動を分析しニーズを理解することは、「顧客の維持」「売上の向上」などあらゆる面でとても重要です。

またマーケティングで顧客分析の必要性を感じている方の中には、「顧客分析の方法って具体的に何があるの?」という疑問を持つ方がいるのではないでしょうか?

顧客分析ではさまざまな方法・手法が用いられますが、ここからは顧客分析で用いられる8つの方法・手法をご紹介します。

方法①デシル分析

顧客分析では、『デシル分析』という手法が用いられることがあります。

デシル分析とは、顧客の購入金額(売上貢献度)などをもとに上位から10のグループに分類し、各グループの「購入比率」や「売上構成比」などを分析する手法を指します。

▼デシル分析の例▼

例えば、100人の顧客を購買金額の多い順で10のグループに分けます。その後、各グループが何%の売上に貢献しているかを計算します。もし売上の80%を占めているのが上位2グループであるという計算結果が出たら、今後打つべきマーケティング施策として『上位2グループに属する顧客に対しての強い訴求』が必要であることが分かります。

デシル分析では、売上に貢献している顧客を見つけ、「販促活動の費用対効果の改善」「売上構造分析」として活用することで自社が抱える課題発見につながります。

方法②RFM分析

顧客分析では、『RFM分析』という手法が用いられることがあります。

RFM分析とは、『Recency(最近の購入日)』『Frequency(購入頻度)』『Monetary(購入金額)』の3つの指標から顧客をランク付けする手法を指します。

RFM分析では、売上貢献度の高い企業として重要な顧客グループを特定し、そのグループに対して有効的だと思われる施策を打つことで、購買率・顧客満足度の向上につながります。

方法③セグメンテーション分析

顧客分析では、『セグメンテーション分析』という手法が用いられることがあります。

セグメンテーション分析とは、既存顧客における「年齢・性別」「職業」「趣味」などの共通するものを洗い出し、グループごとに「どのようなニーズを持った消費者が多いのか」「競合はどのくらいいるのか」を分析する手法を指します。

例えば、「自社で販売している商品は若年層に向けたものであるが、シニア層に向けた商品は提供していない」という分析をしたとすれば、「シニア層に向けた商品の開発に力を入れよう!」というような戦略を立てることができます。

このように類似性の高い顧客をセグメンテーションすることで、各グループに対して有効的なマーケティング施策を講じることができます。

方法④CTB分析

顧客分析では、『CTB分析』という分析方法が用いられることがあります。

CTB分析とは、『Category(カテゴリ)』『Taste(テイスト)』『Brand(ブランド)』の3つの指標で顧客を分類し、顧客が今後どんな商品を購入するかを高い精度で予測してくれる分析方法を指します。

もし1年前に顧客が購入した夏物の衣類の品番が分かったとしても、今年はどの品番の夏物衣類を購入するかを予測することはできません。

しかし商品が「どのようなカテゴリなのか」「色合いや風合いはどうなのか」という履歴があれば、その人の趣味嗜好が分かり、新商品を購入する可能性はあるのかを予測できます。

方法⑤行動トレンド分析

顧客分析では、『行動トレンド分析』という手法が用いられることがあります。

行動トレンド分析とは、過去の購買傾向からどのような顧客層がシーズン性(全体トレンド)を作り出しているかを分析する手法を指します。

シーズンごとの購買率を導き出すことで、商品展開の判断材料になり、シーズンごとの顧客ニーズに対応した事業展開を行うことができます。

また、シーズンごとに売れるもの・売れないものが明確になるので経費削減にもつながります。

方法⑥特定顧客の抽出

顧客分析では、『特定顧客の抽出』という手法が用いられることがあります。

特定顧客の抽出とは、メルマガ登録・会員登録などを通して顧客情報を収集し、購買傾向をもとに「販売戦略を立てる」「購買予測を行う」といった分析手法を指します。

特定顧客のデータを把握することで、その顧客へ直接アプローチを行うことができます。

方法⑦AIによる顧客分析

顧客分析では、『AIによる顧客分析』が用いられることがあります。

人間が頭を働かせて行う顧客分析には限界があるため、全ての課題を解決するのは困難を極めます。

しかしAIを利用することで、人の手で進めてきた顧客分析よりも「高次元な分析」が可能なので、解決するのが難しい課題に対して効果を発揮します。

方法⑧NPS

顧客分析では、『NPS』が用いられることがあります。

NPSとは、Net Promoter Scoreの略称で、企業や企業が提供する商品・サービスに対する信頼や愛着度といった『顧客ロイヤリティ』を測るための指標を指します。

NPSでは、まず「あなたは、この商品・サービスを家族や友人に勧めたいと考えていますか?0~10点で回答してください」という質問をします。

次に、アンケートで出た0~10までの点数に応じて『推奨者』『中立者』『批判者』の3つのタイプに分けます。

NPSの数値が高ければ高いほど、ロイヤリティが高くリピーターとして商品・サービスを利用してくれる可能性があります。

反対にNPSの数値が低ければ低いほど、ロイヤリティが低く競合他社にすぐに乗り換える可能性があります。

NPSについてもっと詳しく知りたいという方は、以下記事をご参照ください。

まとめ

ここまで、「顧客分析とは何か」「顧客分析を行う目的とは」「顧客分析の方法や手法」を紹介・解説してきました。

顧客分析では、購買率・顧客ニーズ・顧客満足度・市場での立ち位置などあらゆる角度から現状を洗い出し、自社が抱える課題の改善を行います。

現代はスマートフォンの普及やサブスクリプションサービスが世界的に浸透していることから、顧客分析を行う必要性が一昔前に比べてとても重要になりました。

しかしマーケティング担当者の中には、「顧客分析をする方法・手法はあるの?」「どういったことを行えばいいの?」という疑問を抱くと思います。

そこで当記事では、顧客分析の方法や手法を8つご紹介しているので、自社の課題を洗い出し解決できる方法を用いて購買率・顧客満足度の向上を目指してほしいと思います。

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